そんな前だったとは思ってなかった…確かにマルコヴィッチお面が町中に溢れててかなりインパクトあったんだけど、この時期は劇場に足を運ぶ時間の余裕がまったくなくて、見逃したまま幾年月…。
別途、記したとおり昨日の同時間帯でやってた『朝まで歌つるべ』が思いのほか面白くて、アタマの5分くらい見逃して、クレイグ(ジョン・キューザック)がボコボコにされた後からスタート。全体的に画面が暗くて、キャメロン・ディアスがクレイグの嫁・ロッテだってことはオフィシャルサイトではじめて気づいた(≧∀≦)ノ 。途中レスターさんの豪邸でバスローブ姿で髪を束ねたのロッテを見て、なんだカワイイじゃん…とか間抜けな感想をやっと持ったくらい。
最初はCMと例の“お面”とのインスパイアのおかげでコメディムービーなんだと思ってたんだけど、全編通してシュール。だいたい“人”の中に、オフィスの壁の穴から入るってこと事体がシュールなんだけど、クレイグが人形使いってのも何か怪し気だし、オフィスが7と1/2階つーのも、ロッテが家に置いてるチンパンジーもなにもかもシュール。ひとつだけシュールでないとしたらジョンの友人で出てきたチャーリー・シーンくらい?でも「イタコでレズで魔女!! こんなゴージャスな女を離すべきじゃないよ!!」ってな意味合いのセリフにはシュールさを感じました(^^;;)。
マルコヴィッチという器。
本業では生活も出来ない人形師・クレイグの才能をこの“器”に入れたとたんに世間に受け入れられただけでなく認められ、更に展開していく…。これは思うところありましたよ、アタクシは。自分も別の“器”に入れればどうにかなるんではないか?なんて…。ただ、この“マルコヴィッチという器”はマルコヴィッチ本人がいろんな葛藤や努力や克服をした上での“器”だから、ある意味クレイグは楽して成り上がったともとれるし、私も楽できる器が欲しいだけなんだ(^^;;)。
ラストシーンに至って、一番したたかで欲しいもののすべてを手に入れたのはこの二人の女達だった…ってオチは、実にシュール。どんなに科学が進歩しようと女同士じゃ子供はできない。それをマキシンとロッテはこの“マルコヴィッチという器”を使って子を生し、ある意味“幸”を手に入れた。
“マルコヴィッチという器”を乗っ取って、自分のやりたいことを思う存分謳歌して、最後まで“器”から出ることを躊躇したクレイグは傲慢なほど猪突猛進だったけれど、もとの自分に戻ったらすべてを失っていたのに、ダメ押しで妻と愛人にも捨てられ、なおかつ数年後にまた“穴”に出会い、その二人の育てている娘の中に入ったはいいが、少女の意志を操作することも出来ず、もちろん二人の女性にも認識されず…彼はこの『マルコビッチの穴』のすべてのツケをひとりで支払う損な役回りか?
シュールを連発してしまったけれど、マルコヴィッチが自分で穴に入った時の100人のマルコヴィッチはもちろんスパイク・ジョーンズ監督のウィットにとんだテイスト全開!! 何を言っても「マルコヴィッチ!!」「マルコヴィッチ??」で、そこにいる老若男女すべてマルコヴィッチ!! 素敵だけど、あれが彼の意識下にあるものだとしたら、やっぱり自分大好き!!→だから俳優!! なんだろうね〜。
もうひとつあげると、チンパンジーのイライジャのトラウマ的回想シーン…が感動的�Г任瓦兇い泙靴拭�ヾ(゚∀゚)ノ゛アヒャー!!
アタクシの穴の中には何がみえるんだろう?