青山一丁目の手前に赤坂署がある。
ここの前を通ろうとしたら、乗用車(復面パト?)、普通のパトカー、バスの枠に格子がハマってるやつ…なんていうんですかね?護送車?…などなど何台も連なって署内の駐車場から出てくる。
で、私服・制服問わずの警察官の方が車が出てくる度に拍手している。
異常に盛り上がっている。
よくわからないが目出度いことでもあったという様子。
気にせず随随、青山一丁目を目指しここで半蔵門線に乗車。
…今日の予定。
実は「狐」に会いにいくんではなかったような気がしませんか?
ちょっと似てるけど…。
いやいや、今日は
狐でなくて、
猫です!! ネコ!!招き猫を求めて、豪徳寺に行くって何日も前から言ってたクセに!!!
そこで、急行列車だったことを言い訳に''三軒茶屋''で下車。
初めての
東急世田谷線 乗車!!
''三軒茶屋''から''下高井戸''まで世田谷を縦断するわずか二輛編成のいわば路面電車。券売機は有りましたがどちらかというとバスに乗る要領…乗車時に130円をお支払いする。
ちなみに目的地の「宮の坂」駅は無人でした。
帰りはうっかり無賃乗車しそうになり、乗った途端に運転手さんが
「こっちで先に払ってくださーーい!!」
と2両目にいた私に1両目から叫んでくれた。…スイマセン(^^;;)
世田谷線は民家の間を走っているようで、
右を見ても左を見てもアパート、マンション、一軒家、住宅、住宅。
そして''宮の坂''駅は都内とは思えないくらいの…
まるで夏休みに祖父母の家に遊びにきました〜!くらいのホンワカ具合。
緑も多くて、とてもいい処です。
下車してすぐに八幡様があったので先にそちらへ行ったが工事中…ゴメンナサイ。
でも取材?来てたので何かお祭りでもあるんでしょうかね。
あと敷地内に「厳島神社」というのがあったのでお参りしようかと思ったら、
そのすぐ横のベンチに仕事の途中休憩的なサラリーマンが陣取ってしまったので、
ちよっと憚られて、断念。
八幡様を出て、線路を挟んでまーーっすぐ行くと豪徳寺。
途中、案内看板もないし、永遠に続く住宅街。
不安になったので後から歩いてきたオバサンに、
「あのー、豪徳寺はこちらの方向でいいんでしょうか?」と聞いてみたら、
次を左に入ったとこよ、と教えて頂いた。感謝。
どうも今日はお葬式をやってらっしゃるみたいで、
門前を撮ると「○×誰某 告別式会場」というのが入ってしまうので断念。
コレで勘弁して下さい(^^;)
井伊直弼の墓があるそうで、墓があるってことは一般の墓も勿論あって、
やはり写真は控えました。
ミナサン、招き猫の奉納棚の写真を撮ってらっしゃるけれど、
あれってすぐ背後は卒塔婆とか墓石なんですが…(^^;)
ま、その猫塚…といいましょうか、個人的感想としては、
本で読んだり噂で聞くよりも小規模でした。
比べちゃならないけれど、さっきの豊川稲荷の狐塚の方がわんさわんさとお狐様が
境内のあちこちに犇めきあっていたので…拍子抜けしたというのが正直なところ。
本堂の方にいってみたが、どこもかしこもぴっちり締めてあって、
大層立派なご本尊様もガラス越しにいらっしゃる様子はなんとなくわかるが、
お顔が拝見できない…御簾が天井から垂れ下がっていたりするので、
首から上が隠れているのだ。
説明板もない、パンフレットのようなものもない…
うーん。消化不良。
総受付(売店とでもいいましょうか)に入ってみたが、どなたもいらっしゃらない。
紙に、
「庭掃除をしているのでご用の方は声を掛けて下さい。」
じゃ、いいかな…。
招き猫は入り口の
「山崎商店」(写真参照)で買おう。
…と去ろうとしたら、庭掃除していた少年が「何かご用ですか?」と。
せっかくだから「猫欲しいんです」というと総受付で待っててくれとのこと。
しばらくするとさっきの少年が出てきたので300円のと500円のを頂いた。
「本堂の中は拝見できないんですか?」
とついでに聞くと「できません」とだけ返ってきた。
なんとなく拍子抜けしたが、お礼を言って来た道を戻る。
''山崎商店''の前に一匹の猫。
このお猫サマは花用のプラスチックの器に入っている水を召し上がっていた。
私はその様子を炎天下の中、なんだか見ていたのだが、
気がすんだお猫サマはまるで正座するが如きよい姿勢で
ガラス戸の前に座って店内を見ている。
私「暑いから中に入りたいんでしょう?」
猫「……」
私「誰もいないよねぇ〜」
猫「……」
とかなんとかやってると、近所の小学生の女の子が二人やってきた。
少女「あ、チビー!」
私 「チビっていうんだ?この子は。」
少女「そうよー。白いのがもう一匹いてね〜、その子はミクちゃん!」
私 「そうなんだ〜(笑)」
少女「でもね、ミクのことは“ミルク”って呼んでるのよ!!」
私 「そうかぁ、ミルクちゃんか〜」
少女「じゃ、そろそろ帰りますね。さようなら!!」
私 「(なんて礼儀正しい子なんだーー!!(泣)…) はい、さようなら!」
…らしいです。残念ながらミルクの姿は見えなかったけど、
相変わらず、チビは姿勢よく待っているようだったので、
私はガラス戸を開けてやった。
チビはそそくさと中に入り、ひんやりしているに違いない床に寝そべった。
「すいませーん」
声をかけるとすこーし間をおいて、オジサンが出てきた。
「暑くて中に入りたそうだったから、開けたら入っちゃったンだけど、
この子はココの子なんですか?」
うんうん、とオジサン。
「猫が欲しいんです」と言うと、どの大きさにするか問われた。そして、
「どこに置くの?一番ちっちゃいのは財布に入れるンだよ。」とのこと。
さっきの500円のをもうひとつ欲しかったので、それを所望する。
私がなによりうれしかったのは招き猫の箱と一緒に一枚の紙をくれて、
「ここに由来が書いてあるから、読むといいよ」
とおっしゃってくれたこと。
帰宅後、今日の戦利品を開いてみたら総受付で頂いたものにも
同じ内容のものが確かに入っていた。
でもね、私が欲しかったのはビニール袋じゃないんだよ、少年。
別にたいして口数も多くないオジサンが言ったこんなアドバイスだったり、
女の子が教えてくれたミルクの本当の名前はミクって事と同じレベルで、
本堂の中にいるのはどなたなのか?とか、
何故見ることができないかの理由をほんの少しだけ説明してくれるとか、
残念ですが…とか、いつならご覧になれますよ…とか。
キリがない。
だってほんの些細なことなんだもの。
豪徳寺を出て、ここ数日抱えていた期待があっという間に萎んでいった。
敗者復活で、近日、''今戸神社''および''浅草''へGO!!
きっと浅草には聞いてもいないのにおせっかいにいろいろ教えてくれる、
人生の先輩達がたくさんいるに違いない!!
…とまた淡い期待に胸膨らませるのであった。