今だに手貼りで版下作ってそうな古めかしいドタマの社長が「進行状況の打合わせをしましょう」というので、付き合ってやったら、今日も今日とて「あいてぃ」だの「でざいん」だの意味も解ってないクセに横文字を並べようとする。おそらくここ数日で新しく覚えたカタカナを披露したいのか、それとも明日の先方との打ち合わせでイイカッコするために予習しておきたいのか…なんだかイライラして、ちょっとキツメの嫌味を投下してみたが、それすら嫌味だと解らなかった上に、新しい言い回しを教えてしまったようだった。
あなたのやろうとしていることはひと昔もふた昔も前のやり方なんです。
そういいたかったのを押し堪えたが、解る人には解る嫌味だった。
その後、社長が少し席をはずしたすきに、もうひとりの既に半年ココにいるAさんが言った。
余計なコト教えちゃダメですよ、仕事増えるじゃないですか〜。
冗談半分、本気半分で発せられたこのひとことをきっかけに私の分析装置は作動しはじめた。
こんなにヒマなのに…そのヒマを潰すために日々こんなに努力しているのに…。私と入れ代わりに辞めていった社員候補だった人は、おそらくそれが苦痛すぎたんだと思う。Aさんだってそれは同じで、日々カセキのような社長を疎んじているが、ヒマすぎて余計にうざったく感じているのではないかと思う。
Aさんは海外留学の経験もある26歳。
趣味の話やら留学の理由をきいているととても行動的で、何故こんなところで燻っているんだろう?と疑問に思っていたが、今日の彼女のひとことでなんとなくその理由がわかったような
気がする。それは、
若さ。この一言に尽きると思った。
人生この先、まだまだ想像もつかないほど長い時間が残っている…いや、“残っている”という言い方で彼女は認識していないだろう、しいて言えば“待っている”程度の軽い感じだろうか。だからオフも勤務中もできるだけ仕事の比重を少なくしておきたい、もっともっと遊びたい!!…そんな活力オーラが満ち満ちている。
一方で、おそらくAさんよりもAさんのお母様の方がひょっとして年齢が近いんじゃないか?と思われる私や元社員候補の人などは、今までひとしきり遊び倒したし、今欲しいのは仕事の“実績”や“充実感”であって、座っているだけで取りあえず給料が貰える“ヒマな時間”ではない。ありえないほどダサい、カセキ社長の“自称デザイン”である、自分の作品とは呼びたくない仕事をダラダラと無駄な時間をかけて仕上げるよりも、一心不乱に休む間もなく作品を作り続けているほうがどれだけ気持ち的に楽か…。
私の契約は来月の半ばあたりまでだから、そこまで我慢すればいい。その後社長とともにAさんはひとり残るが、社長のセンスの無さや無知さに口を噤むばかりでなく、どうせあまりアタマの回転の旨くない社長なんだから、もっと上手い具合に使って、自分のしたい仕事をする方向に持って行けばよいのに…と私は勝手に思ってしまった。明るくて知識や技術はすこぶるある子なのにもったいない時間の使い方をしているなぁ〜と。
これを“勿体無い”と捉えること事態が年寄り染みている…というよりも、人生経験の成果なんだろうし、Aさんは若さ故の時間の使い方をしているのだろう。三十代は転がる石のような早さで過ぎていったが、二十代の彼女にはまだそんなこと想像もつかないんだろうなぁ。
最近、何かにつけて『ああ、もっと若い頃にやっておけばよかった』とか『勉強しておけばよかった』なんて思うことがある。だからAさんの考え方がとても興味深いのだが、かと言って彼女に『私はこう思う』というようなコトを言ったとしても、きっと即行却下を喰らうだろうということも私自身が若い頃そうだったから手にとるようにわかってしまうので、ナニも言わずに日々過ごしている。きっと、仕事に打ち込むことによって疲労した週末を迎えるよりも、趣味の時間を存分に謳歌したり、背の高いラブラブな彼氏といかに元気に楽しい時間を過ごすことの方が、今の彼女には一番大切な時期かもしれない。
時の流れに身をまかせるか、時をなんとなく流してしまうか…
どんなに後悔してもやり直すことは出来ないってこともインプット出来てるナイスミディ(≧∀≦)ノ
posted by みし at 23:55| 東京 ☁|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
徒然
|
|